うつ病とは
Major Depressive Disorder
Major Depressive Disorder
落ち込むことは誰にでもあります。なにをやってもうまくいかない時、ありますよね。ただ、毎日ずっと落ち込み続けている時は、少し立ち止まり、振り返ってみましょう。
うつ病の時は、薬を飲んだり、アドバイスを受けて毎日の生活をちょっと変えたりするだけで、見える景色がまったく変わってくることもあります。では、ふつうに「気分が落ちる」「落ち込んでいる」状態と、薬を飲んで治療した方がよいうつ病はどこが違うのでしょうか。その特徴について詳しく見ていきましょう。
気分が落ちるだけではうつ病とは言えません。次のような症状が2週間以上、ほぼ毎日続いている時にうつ病を疑います(アメリカ精神医学会の分類基準DSM-5に準拠)。
気持ちの落ち込みだけではなく、不眠や食欲低下なども含めて、体と生活全体に影響する症状を見ていることがわかると思います。
症状についてひとつひとつ自分で振り返るのはたいへんです。ひとりで手軽に使えるチェックシートを紹介しておきましょう。
QIDS-J(キッズ・ジェイ)は、次のような内容の質問に順に答えていくと、うつ病の治療を受ける必要があるかどうかがだいたいわかるように作られています。
不眠で相談に見えた方には、睡眠薬を出すなどの前にうつ状態の検査をしていますが、QIDS-Jはそのような時にも使いやすくできています。アンケート形式で答えていく中で今まで気づいていなかった症状について知り、不眠以外にも幅広く病気の影響を受けていることがわかってくることもあると思います。
QIDS-Jはうつ病の症状をバランスよくカバーしていますので、症状がよくなると点数が下がります。定期的に点数をつけて治療の目安として使うことができることもわかっています。
QIDS-Jでは「気持ちのこと」についてあまり質問されないことに少し驚いた方もおられるかもしれません。うつ病は体の病気という面が強く、よく言われる「気分が落ちる」感覚に当てはまらないところがあるのです。
では「落ちる」感覚には意味がないかと言えば、もちろんそうではありません。たとえば、気分のアップダウンやイライラは双極性障害に関係があるかもしれません。
本項目の内容ではご自分の症状が十分説明されていないと感じた方は関連項目を読んでみてください。
ストレスがその人の限界を超えた時、うつ病が起こると考えられています。
ストレスというのは環境の変化による影響を意味する言葉です。急に仕事が増えたとか、結婚や引っ越し、転職や昇進など、環境が急に変わった時はストレスも大きいので注意が必要です。そういう時にもストレスがあふれないように、私たちの体は色々な仕組みでバランスを保っているのですが、ストレスをどれくらい受け止められるか、個人個人の限界は決まっています。
限界に近いストレスを受け続けた時、様々な精神症状が起こります。うつ病もそのひとつです。治療で抗うつ薬などを使うのは、体のバランス調節を助けるためですが、ストレスがかかる環境から離れることも大切です。うつ病の治療の基本は休息と言われるのはこのためです。
会社を休んだ方がよいのか迷っている時の対応について書きました。